7.4FX オーバーホール
当店初のクロスバイクオーバーホールです!!
しばらく稼働していなかった車体を久しぶりに乗りたいとのご依頼で、安全乗れるよう徹底的なメンテナンスとしてオーバーホールをご依頼いただきました。
いつも通りの流れではありますが、しばらく動いていなかったバイクはパーツの劣化に注意しつつ、作業していきます。
状態確認
早速ですが車体の状態確認からしていきましょう。今回は2013~2014辺りの7.4FXなので約10年ほど前の車体になりますが、整備をすればまだまだ乗れる状態でした。
お客様からも修理したいご意向を伺っておりましたので、一気に手を入れて安全な乗車のために消耗品類の交換とオーバーホールでの各パーツ点検をご提案、ご了承いただきましたので、作業に取りかかります。

まずは各部を点検、状態を確認してみると汚れや錆、退色が確認できました。手元のシフターは動かしてみると、内部に汚れが詰まってしまい、正常に動作しない状態。変速機は前も後ろも動作したのでそのまま使用可能と判断し、消耗品類の確認に移ります。
変速機周りはチェーン、スプロケットには錆が浮いており、シフトワイヤーも黒いアウターケーブルが裂けており、内部が錆びてしまっています。動作はしますが、錆が進行していると動作が非常に重くなったり、破断のリスクがあるため、これらの部品は新品と交換としました。
その他にも交換個所は多くありましたが、作業の流れでご紹介していきます!それでは、分解作業に取りかかります。
分解
まずは変速機周りで交換となるパーツから取り外していきます。チェーンはいつも通り、チェーンフックを使用して車体への傷つきを防止しながら取り外します。
シフトワイヤーも交換になので車体から取り外し、キャップ開けてみたのですがやはり錆びていました。車齢も関係している部分ですので、ワイヤーが切れることで怪我に繋がる事態になる前に、作業ができたのが本当によかったです。
ホイールと前後の変速機を外し、クランクアームを取り外しにかかっていたのですが、通常の工具では固定しているボルトが緩みません。そんな時はてこの原理が役立ちますので、ソケットタイプのロングレンチを使って回すと見事に取れます。今回もボルトを問題なく取り外しができました!

固定ボルトを外したら、あと2回工程があります!クランクアームを外す専用工具で左右のアーム本体を取り外し、最後にボトムブラケットも専用工具にて左右で外し、初めて中の状態が確認できます。
クランクアームは通常通り取り外せたのですが、ボトムブラケットが固くて取り外せず…。固着のお供であるラスペネを噴射!!少し時間をおいて浸透させてから回すと、ちゃーんと外せました!さすがラスペネ…。
中は劣化したグリスや汚れが見えますが、クリーニングで落とせる範囲のものですので一安心。中を開ける時は異常がある時の方が少ないのですが、どんな状態になっているか一番気がかりな部分でもあります。
次はブレーキの取り外し。こちらのフレームはワイヤーが外装式なので、ホースを切らずに取り外しができるため整備性抜群!
まずはホースを固定しているタイラップを切断し、ブレーキキャリパーを前後とも取り外していきます。最後にステムを固定しているボルトを緩めて引き抜けば、3枚目の画像の通り、ブレーキを丸ごと取り外しておくことができるんです。
ステム周りを外したので、ヘッドベアリングを開けて中の状態を確認していきます。上部、下部共にグリスが劣化していたものの、グリスがベアリングをガードしていたため残っていたため、錆もなくとてもいい状態を維持していました。
ちなみに3枚目のフレーム内に見えるアルミのコブのようなものは、溶接時にできるものです。このコブがあると、しっかりと溶接されている証拠なんですよ。
フォークにも汚れは付着していますが、こちらもクリーニングでキレイになるレベルのもの。内部に大きなダメージがないだけで、ホッとします。
お次は外したパーツの分解です。クランクアームに装着されているチェーンガードの取り外しから。ズボンの裾を巻き込んだり、汚れが付着するのを防ぐためのパーツで、ネジがかなり錆びていますが問題なく外せました。
チェーンガードを外したら、チェーンリング(ギアのことを指します)が分解できるタイプでしたので、ボルトを外して分解。所々錆が浮いていますが、動作上全く問題ありませんのでそのまま使用します。
汚れの蓄積もありますが、これは洗浄で問題なく落としきれるものなので、洗浄後に再度パーツのチェックを行います。
こちらはリアディレイラー(後ろの変速機)です。かなりの汚れが付着していますが、それだけ稼働していた証拠でもあります。それに、汚れていた方がキレイになった時もわかりやすいですよね(笑)
上下のプーリーも取り外してみましたが、見る限りではひび割れなどの症状はなさそうですね。ボルトに付着した茶色く劣化したグリスが見えます。これらも洗浄でキレイにしてしまいましょう!
最後にホイールに装着されているパーツを外しますが、まずはディスクローターを前後とも外していきます。こちらも固着はなく、すんなりと外すことができました。
ディスクローターはメーカーによって交換推奨の厚みがありますので、交換推奨に達していないかを計測。フロントが1.73㎜、リアが1.75㎜。装着されていたHAYESは1.52㎜が消耗限界ですので、まだまだ使用できますね!
お次はタイヤなんですが、まだ新品のようにタイヤのセンターに線が残っていますね。一見そのまま使用できそうなものですが、コチラのタイヤは交換判定とさせていただきました。
保管や使用状況によって大きく変わってきますが、ゴム類は目安として2年を過ぎると硬化してきます。タイヤの場合、硬化してしまうとプラスチックのように表面がツルツルになってしまうので、晴れてる日のマンホールですら滑ってしまいます。
硬化したタイヤを装着したままでは安全にお乗りいただけませんので、こちらもご説明させていただきました。おまけにチューブがタイヤに貼り付いており、再利用不可のためチューブも同時に交換です。
リムテープも丸い窪みが深くなっており、劣化も認められるため交換させていただきます。
こうした工程を経て、取り外したパーツ類を洗浄にしていきます。洗浄後、組みつけのタイミングで改めてパーツの状態を確認していきます。

ヘッド周辺パーツ、ブレーキ関連、ホイール周り組みつけ、フレーム洗浄
パーツ類の洗浄が終わったら、フレームへ組みつけていきます。まずはヘッド周りを組みつけていきましょう!
ベアリング類は受け側とベアリング本体のどちらもグリスをたっぷりと塗ります。防水、潤滑といった意味合いがありますので、ベアリング自体の劣化と正常な動作に欠かせないケミカルです。
ベアリングを装着したら、キレイにしたフロントフォークを取り付けし、ヘッドパーツやスペーサー、ステム類も同時に装着していきます。
ステムやハンドルも装着したのでブレーキも取り付けを行い、オイル交換もご依頼いただきました。
オイルはレバー内に残っているので、大きなトラブルはなさそうですね。いつも通り新しいオイルへと入れ替え作業を行っていきます。
アクシデント~レバーからのオイル漏れ~
トラブルはなさそうと言っていた矢先、オイルを注入し始めるとオイルが滴り落ちるほど漏れ出しました、只事ではありませんので、原因を探ってみると…。
こちらのレバー、Shimanoの文字が印刷されたカバーと本体の間にゴムパーツがあるのですが、経年劣化によりオイルを止めることができず、漏れてしまうことが原因でした。

このままではブレーキが使えませんので、レバーを新しいものに交換させていただきました。
こういった事前に予期しないアクシデントでパーツが交換となる場合、お見積もりを作成してからお客様へご連絡、ご了承いただいてからのパーツ取り寄せと作業を行いますのでご安心くださいね!

お次はホイールに関連する作業に取りかかります。ハブを開けて、中の状態を確認していくのですが…おっと、すごい色をしていますね!
グリスが劣化してしまっていますが、まだ残っています。ベアリングの受け側やボール、シャフトといったパーツすべてをクリーニングしていきます。
グリスが残っていたおかげでボールや受けに錆や変色のダメージもありませんでした!
新しいグリスを詰めてハブの辺りを調整し、回転と固定のバランスが最も取れる場所でセッティングします。
ここでタイヤ周りのパーツも同時に装着します。リムテープは新しいものを装着し、幅に合ったものを選ぶのがポイントになります!
チューブ、タイヤも前後で新しいものを取り付け、タイヤに関しては元々装着されていた雨でも滑りにくく、耐パンク性能が高いものを。普段使いでもパンクで予定が台無しになってしまうのは避けたいところです。
タイヤまで装着が終わったら、フレームとホイールを洗車メニューの内容で各部に付着した汚れを洗い流していきます。
Before Afterがこちらになります!なるべく同じ角度から、1枚ずつ洗車前と洗車後の写真を交互にご覧いただけます。
洗車によって付着していた汚れが取れたことでかなりキレイになりましたが、落ちない部分に関しては傷や塗装の表面が剥がれているといったものもありました。
洗車後はエアブロワーを使用して、隙間の水分までしっかりと吹き飛ばします。
パーツ類組みつけ
洗車が終了したら、ホイールに残りのパーツを装着していきます。
スプロケットは新品を装着しますが今回は錆びてしまっていたので、グレードを少し上げて耐摩耗と防錆に優れているものを。長く乗り続けるためには、パーツのグレード選びも大事です。
洗浄済みのローターもトルクレンチを使用し、適正トルクにて締め付け。洗浄で脱脂済みなので、音鳴りの心配もありません。
ボトムブラケットはネジ山にグリスを塗ってから取り付けます。グリスを塗らないと、数年後の交換時に固着して取れないことも多くあります…。
クランクアームをトルクレンチを使用し、適正トルクにて締め付け。フロントディレイラーも位置をチェーンリングに合わせてフレームへ固定します。
ディレイラーハンガーも外して洗浄しました。曲がりや亀裂などもなく、正常な状態でしたのでそのまま取り付けました。
チェーンも9速の中で最もグレードの高いHG93を。こちらも雨天や通勤通学で使用される方にオススメな、防錆性能に定評のあるグレードのチェーンです。
お次は新しいシフトワイヤーを施工していきます。長さが車種などによって違うため適切な長さにカットし、ピックツールで先端の穴を拡張することで動きがスムーズになります。
フレームのワイヤー受けにはめるため、アウターキャップを装着。標準でブルーの金属キャップが使用されていたので、洗浄し再利用しました。
インナーワイヤーはステンレスタイプを使用。見えない部分ではありますが、施工時にケーブルグリスを塗布しておくと抵抗を減らすためしっかり塗ります。
ブレーキパッドはMuc-offのディスクブレーキクリーナーを使用してクリーニングしていきます!
2枚目は洗浄前のパッド、3枚目は洗浄後のパッドになるんですが、汚れが浮き出ているのがよくわかりますね!汚れが付着していると音鳴りや制動力の低下などを招きますので、問題が出ないようにクリーニング。
パッドを保持するパーツや留め具なども同じようにクリーニングして、汚れがパッドに付着しないよう入念に作業を行います。
ホイールは振れ取り、テンション確認、センター出しの確認を。
どれか一つでもズレていたり規定に達していないとトラブルの原因となりますので、入念なチェックを欠かさず行っていきます。
今回は横の振れが多少出ていたので真っすぐになるよう修正、スポークテンションは規定値内に収まっており、センターも出ていたためほぼチェック作業のみとなりました。
ホイール周りの作業が終わったら、先にブレーキパッドを装着してピンでブレーキ本体へ固定。
ホイール装着後、ブレーキのセンター出し、ローターの曲がり矯正を行ってトルクレンチを使ってブレーキ本体の固定もしっかりと。
固定後は音鳴りや制動力が問題ないかも確認します。最後に動作と音鳴り確認の試乗も行いますので、ブレーキに関しては二度確認しております。
グリップも経年劣化でべたついていたので、新品でべたつきにくいグリップを装着。
元々付いていたグリップから改良が入っているモデルで、より握りやすく掌のサポート感が向上しているため、疲れづらくなっているのもポイント。
FX 2などにも装着できるので、アップグレードにもおすすめです。
パーツの取り付け、変速やブレーキのセッティングが終わり、試乗確認も終えたら仕上げにMuc-offのシリコンスプレーにて仕上げ。
艶出しと防汚を兼ねているのですが、艶の出方がとてもキレイなんですよね…。2枚目の画像では上側が塗布済み、下側が未塗布となっていますが、違いは歴然。
当店では洗車、オーバーホール後に必ず塗布を行っており、見た目の仕上がりが良くなるだけでなく、オフロードを走ったマウンテンやシクロクロスでも付着した汚れが落としやすくなるほどの効果があります。
シリコンスプレーを塗布し終えた仕上がりがコチラになります!!
マット(艶消し)ブラック塗装ですが、艶消しはそのままに深みのある黒になっているのが見て取れるかと思います。
今回はチェーンやスプロケット、タイヤ、ワイヤー類といった消耗品も交換させていただきましたので、とても10年ほど前の車体とは思えないほどキレイな仕上がりとなりました!
ワイヤーの初期伸びなどのアフターケアもさせていただきますので、ご安心くださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
オーバーホールにご興味を持っていただいたお客様、下記のオーバーホールメニューのご説明とテックブログ一覧で今までの作業をご覧いただけます。
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