Domane AL 3 Rim Gen 3 オーバーホール

今回はドマーネ AL 3のリムブレーキをご依頼いただきました!

この世代はワイヤー外装式で構造が単純で、現行型のワイヤー内装式のような大掛かりな作業も必要ないため、納期が短くて済む傾向にあります。

オーナー様も初めてのオーバーホールですが、この機会にとパーツについてもアップグレードを含めてお話をさせていただきました。

それではいつも通り、作業を追っていきましょう!

状態確認

こちらの車体は全体写真を見ると汚れていることもなく、定期的に手入れをされている痕跡が伺えました。サイクリング等で走行されていたので、動作チェック時に固着や錆による動作の不具合もなく一安心。

パッと見て汚れているような印象もなく、かなり良い状態での入庫です。
パッと見て汚れているような印象もなく、かなり良い状態での入庫です。

バーテープは長年の使用によって、左右とも巻きが緩んでしまっていました。緩んだ状態のバーテープは、走行時の握っている時に緩んでしまうと手が滑ってしまいバランスを大きく崩す原因となってしまいます。

落車や大けがに繋がりかねないので、交換させていただくことになりました!

ワイヤー類も目視と動作で状態を確認します。シフトワイヤーは動作、劣化共に問題なかったため、潤滑措置のみ行って再利用することにしました。

ブレーキワイヤーに関しては錆が浮いていたり、レバーを引いた時の動作が重かったりと、劣化の兆候が見られたため交換としました。

変速機周りも使用に伴う汚れは見られましたが、洗浄で直ぐに落とせそうなものでしたので定期的にキレイにしていただいていたご様子です。

スプロケットやチェーンリング、プーリーなども、目視による摩耗による歯の削れは確認できませんでしたので、そのまま使用できそうですね!

チェーンのみ、間もなく伸びてくる目安に入りそうでしたので、オーナー様とご相談の上で交換となりました。

近づけばフレームやホイールに長らく走行していただいた汚れを感じることができますが、大きな傷や損傷などは見られず、通常の作業を行って組み直しすることで、性能の回復が達成できそうです!

確認を終えたところで、分解作業に入っていきます!

分解

分解する前に、ライトやカギ、サイクルコンピューター等の取付位置などを写真にて記録しておきます。車体によってはコラムスペーサーの位置やカラー違いの重ね順などもありますので、忘れずに行います。

記録を終えたら、チェーンカッターを使用してチェーンを外します。外した直後にチェーンが跳ねてしまい、フレーム等に傷をつけてしまうことがあるので、チェーンフックで抑えて予防を行いながらの作業となります。

チェーンの取り外しが完了したら、ペダルを外します。今回はペダルのアップグレードをご依頼いただいておりますので、組み立て時に登場します!お楽しみに!

ペダルを外したら、クランクアームの取り外しを行います。左アームの固定ボルトを緩めて脱落防止ピンを解除、クランクキャップを専用工具にて外した後に、左アームをゆっくり引き抜きます。

今回はシャフトに錆などもなく、左右のクランクアームがすんなりと抜けたため助かりました。長年のご使用でシャフトに錆が出てしまうと、クランクアームが外せなかったり、アームの固定が緩いまま使用しているとクラックなどのダメージが入るケースも稀にですが経験があります。

普段見えないクランクシャフトは安全に直結する重要な部品です。

クランクアームを外した後は左アームにボルトや脱落防止ピンを外し、右アームはチェーンリングを外してバラバラにした上で、一つ一つのパーツを洗浄します。

摩耗やチェーン落ちによるボルトの損傷などは見られないため、この時点ではそのまま使用できそうですね!

クランクアームを外したら、フロント、リアのディレイラー(変速機)を外していきます。まずはフロントディレイラーですが、今回シフトワイヤーはそのまま使用するため、締結を解いてフレームから取り外します。

リアディレイラーもボルトを緩めてディレイラーハンガーから取り外し、ディレイラーハンガーもフレームから取り外します。ネジやハンガーにダメージがある場合は交換となりますが、今回は特に問題ありませんでしたのでそのまま使用します。

シフトワイヤーは再利用するため、一度シフトレバーから取り外します。ワイヤーのグレードにもよりますが、組み直し時に滑らかな稼働が可能な施工を行ってから戻します。

2枚目の画像はブレーキのアウターワイヤーです。劣化の兆候がありましたが予測の通り錆が浮いており、交換判定にしておいた事が功を奏しました。

動作が重く錆が浮いていますが、ワイヤーがほつれたり切れてしまうなどの状態ではありませんでしたので、事故や怪我などに繋がらずよかったです。

ドマーネALのボトムブラケットは一般的なねじ切りタイプが採用されているので、分解も楽々。この車体はシマノクランクにシマノボトムブラケット、固着もなくすんなりと外れてくれました。

内部のグリスは劣化して変色した状態で残っていましたが、砂や水などをガードして欲しい部分についても保護してくれていたおかげでボトムブラケットの回転もスムーズで、ガタもなかったためそのまま使用可能でした。

最後にボトルケージの取り外しと、交換予定のブレーキワイヤーを切断し、ブレーキ本体も取り外しします。

ブレーキ本体も今回交換のご要望を伺っておりましたので、新しいものと取り換えとなります!もちろんアップグレードです!

各部洗浄

パーツ類を一通り外し終わったところで、フレームの洗浄に移ります。全体を写した写真ですと、あまり汚れているようには見えませんね。

2枚目以降の画像では、お使いいただいていると汚れやすい部分を拡大して撮っています。クランクの裏やホイール、ブレーキにボトルケージの装着部分など、オーナー様ご自身では手の届きにくいところが汚れてしまうのは仕方がない事です。

汚れの蓄積は時間が経過するほど、洗浄だけでキレイに戻すのが難しくなります。事前の確認でこちらの車体は汚れが軽く付着している程度でしたので、洗浄でキレイになるかと予想を付けていました。

洗浄後はコチラになります!全体写真ですとわかりづらいですが、各部の写真を見ていただくと汚れを全て落とすことができ、キレイにすることができました!

この後、エアブロワーで残った水分を全て吹き飛ばして錆や水垢が残らないよう作業を行いました。

フォーク内側の汚れは巻き上げによって強力なものになっているケースも多く、洗浄ではキレイにならないケースもあります。塗装を痛める前に洗車やオーバーホールなどをご依頼いただき、キレイな状態を保つことで車体の寿命を延ばすことができるんですよ!

ボトムブラケット内のグリスはフレーム用洗剤で除去できないので、別のケミカルを使用してキレイにしました!

ねじ切り部分もブラシを使用して、ボトムブラケットを組み戻した時に砂などが噛みこまないよう除去しています。

ねじ切りに異常もなく、内部の状態もキレイです!
ねじ切りに異常もなく、内部の状態もキレイです!

ドライブトレイン周りのパーツも洗浄を行ったのですが、画像1枚目のスプロケットの裏面をご覧ください。

汚れが落ちていないことが確認できますが、裏面はブラシも届きにくい場所のため1回の洗浄で落としきれない事もよくあります。

この場合はケミカルを吹き付けて、汚れが浮いてくるのを待ちます。大抵はこの方法でキレイにできますので、この間に他の作業を進めていきます。

外したボトムブラケットも砂だらけでした。劣化したグリスも残っており、耐水性の高いグリスは除去するのに一苦労ですが、その分異物や水の侵入を防ぐことができるので、役割を果たしているとも言えます。

グリーンのシマノ プレミアムグリスは耐水性がかなり高いので、水を侵入させたくない場所や回転性能よりも保護性能を重視したい方にオススメです。

この状態でも回転はスルスル、異物の侵入で見られるゴリゴリとした感触もありませんでした。
この状態でも回転はスルスル、異物の侵入で見られるゴリゴリとした感触もありませんでした。

ホイールハブ分解、振れ取り、タイヤチューブ交換

ホイールはハブの分解から始めます。シャフト類を外してみると、このホイールの場合は球が出てきました。一見とてもキレイに見えますが、球を取ってみると球受け側に劣化したグリスが残っていますね。

ハブ内部をクリーニングし、キレイにしました!劣化していたとはいえ、グリスが残っていたおかげで球と受けのどちらにもダメージはなく、まだまだ使用可能な状態です。

お次は分解したハブパーツをクリーニングしていきます。シャフトやゴムシール、球といったパーツを一つ一つキレイにしました。

キレイになったら球やシャフトは摩耗や損傷、変形などがないか、ゴムシールは劣化によってひび割れなどの劣化が見られないかをチェックします。今回は全く問題なかったため、そのまま使用します。

クリーニングが終わったら、受けにグリスを塗って球を一つ一つハブへ戻していきます。球の上からもグリスを塗り重ねることで、ハブ内への水や砂といった異物の侵入を防ぎます。

ハブ内へ水が浸入すると錆の原因になりますし、砂が浸入すると摩耗が早くなってしまう場合もあり、部品本来の寿命を全うするためにも欠かせない作業です。

その後ハブシャフトなどを取り付けし、球当たり調整と呼ばれる高回転を担保しながらしっかり固定されている状態へと調整を行います。これに関しては状態の良しあしや消耗度などで個体差がかなり出ます。

後輪も同様の手順で作業を実施。後輪の方がハブ内のグリス劣化が激しかったものの、部品自体には全く問題なし!

今回は前後共新品に近い部品のコンディションだったので、かなり回転の良い調整ができました!

ハブの作業が終了したら、お次はスポークテンションの確認や振れ取り、センターが出ているかの確認を行います。

前後輪共に縦振れ、横振れで大きいものはなく、少し調整が必要な箇所が1、2か所ほどあった程度で、スポーク自体にも変形のような交換を必要とするダメージは見られませんでした。

センターも問題なく出ており、ホイールも問題なく使用可能でしたので作業も直ぐに終了となりました。

最後にタイヤ、チューブとリムテープの交換作業へと移行、ホイールの振れ取り作業前にタイヤは外してしまっています。

前後で別のタイヤが装着されており、オーナー様も前後でタイヤを揃えたいとのご要望も伺っておりましたので、新しいタイヤを予め手配済みです。

また、画像3枚目のリムテープもホール部分が大きく凹んでいたりと劣化の兆候が見られ、このまま使用するとパンクの原因となるため、こちらの交換もさせていただきます。

リムテープを前後輪共に新しいものへ交換、タイヤは耐パンク性能の高さと耐久性重視、かつ走行性能もある程度欲しい!とのご要望でしたので、シュワルベのワンを700x25にてチョイス。

チューブは片側のみ少し前に新品へと交換されていましたので、完成車から装着されたまま側のチューブを交換させていただきました。

リムのブレーキ面は汚れが溜まりやすい場所でもあり、こちらもクリーニングしてみると…4枚目の画像の通り真っ黒でした。制動力の低下にもつながりますので、前後輪しっかりと汚れを落としました。

ヘッドパーツ分解、クリーニング、組み戻し

ヘッド周りのベアリングといったパーツ類を取り外して、状態の確認から始めます。ヘッドを開けてみるとあまり汚れていないように見えます。

フォークを抜いてベアリングを外してみると、上側はベアリング、受け側の両方が多少汚れていました。

下側はベアリングが地面に近く、走行時の砂などの巻き上げが入り込みやすい位置にあるため、砂だらけで内部にも侵入し、ジャリジャリと音が鳴っていました。受け側は多少の汚れが見られる程度でしたので、クリーニングでキレイにできそうです!

このベアリングは内側に穴が開いているため、そこから砂などが侵入しやすい構造となっています。隙間からパーツクリーナーで汚れと劣化したグリスを吹き飛ばしてクリーニングを行いました。

また、ヘッド周りのパーツ類やフォークのコラム部分などもグリスや汚れを拭き取ってキレイにしました。

ベアリング内部にはシマノのプレミアムグリス、通称デュラグリスを隙間よりたっぷりと注入。ベアリングの外側にも多めに塗布し、砂や水などの異物を防ぐ防御膜として機能させます。

今回の使用グリスがシマノのプレミアムグリスの理由として、ベアリング自体が密閉型でないために異物の侵入などが起こりやすく、砂はもちろんのこと水や汗といった水分で内部劣化が予期できたからです。

そのため、粘度が高く耐水性と持続性に優れたプレミアムグリスを使用しております。パーツの特性や形状、使用方法によってグリスを変えておりますが、事前に乗り方をお伺いした上で用途に合った施工をいたします。

パフォーマンス重視や耐久性重視など、ご要望がある場合にはお伝えいただければご対応させていただきますので、お気軽にお伝えくださいね!

パーツ類取り付け、アップグレードパーツ装着、調整

ホイール、ヘッド周りの整備も終わったところで、フレームへパーツを取り付けしていきます!

まずはボトムブラケットから。ねじ切りへグリスを塗布し、ボトムブラケットにもヘッドベアリング同様、異物の侵入を防ぐためにプレミアムグリスをたっぷり塗布します。

その後、フレームへトルクレンチにて適正トルクで組み付けて完了です!

クランクアームにもチェーンリングを取り付け、リアディレイラーもプーリーを上下裏表を間違えないよう取り付けます。

ディレイラーハンガーを取り付けし、リアディレイラーもその流れで取り付けします。クランクアームとフロントディレイラーも取り付けを行ったら、新品に交換となったチェーンを取り付けます。

ペダルもアップグレードで新しいものと交換させていただきました!三ヶ島製作所のオールウェイズ、ロゴのカラーと合わせてシルバーカラーです。

オールウェイズの良さは高い回転性能とベアリング類、ボディの耐久性の高さを高次元で両立しているところです。ボディはアルミ製で、多少ぶつけた程度ではびくともしません。

パッケージにもツーリング、オフロード、シティ(街乗り)とある通り、様々な用途で性能の高さを発揮します。

通勤通学で長い距離を使用される方にもうってつけのペダルです。他のペダルに比べ、本当に壊れません…。
通勤通学で長い距離を使用される方にもうってつけのペダルです。他のペダルに比べ、本当に壊れません…。

その回転性能の良さは、こちらの動画をご覧ください!とっても滑らかに回転するのですが、これで耐久性が高いので文句の付け所がありません。

フラットペダルでここまでクルクル回るペダルは珍しいです。回っているのを見るのも楽しいので、動画のように無性に回したくなります(笑)

ブレーキもアップグレードを承りました!完成車に装備のブレーキから、シマノ105へと載せ替えです!

シマノのコンポーネントは105以上をレースグレードと位置付けており、リムブレーキの場合はキャリパーの剛性の高さがレバーのカチッとするブレーキの効きそうな感触や制動力の高さへ大きく貢献します。

105以上ですとブレーキシューがカートリッジ式となり、交換が簡単になり整備性が向上するところもメリットですね。

ディレイラーとブレーキの取り付けが終わったら、ワイヤー類を取り付けしていきます。ブレーキワイヤーは新品へ交換なので、黒いアウターケーブルを長さを調整しながら、前後分を適正な長さでカットし、末端を平らに処理します。

シルバーのインナーワイヤーはステンレスを使用しますが、そのまま通してしまうと抵抗が大きいのでケーブルグリスを塗布します。これによって抵抗が少なく、レバータッチが軽くなります。

ブレーキワイヤーに続いてシフトワイヤーを取り付けしたら、ビニールテープで下処理を行います。

下処理後に新品のブレーキワイヤーは初期伸びや馴染みと呼ばれるワイヤーの引っ張る力が緩んでしまう現象をなるべく軽減するために、伸び取りを行うことで再調整の手間をなるべく減らすように作業しております。

伸び取りを行ってからブレーキの調整とシフトの変速調整を行い、余分な長さのワイヤーをカット。末端をキャップで固定して、トルクレンチで締結を確認した上で終了となります!

お次はバーテープ巻です!今回はスパカズのブラック/シルバーをチョイス。車体のカラーがブラックにシルバーロゴなので、ペダルと併せてカラーチェンジのご提案をご了承していただきました!

ハンドルのドロップエンド部分に両面テープで固定力を上げ、巻いていきます。引っ張る力が甘いと緩んできますし、引く力が強すぎるとバーテープが切れてしまうこともあるので、メーカーや種類の癖があり、バーテープ巻きは奥が深いです。

巻き終わるとデザインが見えましたね!末端から徐々にブラックになり、エンドキャップがシルバーなのもアクセントで洒落てます!

この後にシートポストを抜いて内部のクリーニングとグリスの塗り直し、実走での変速やブレーキ動作、異音がしないかのチェックを経て完成となります!

作業終了!完成です!

毎回のことではありますが、最後に防汚と艶出しを兼ねたケミカルを塗布して完成です!

ブラックカラーの車体は艶が深く出ますので、仕上がりがとてもキレイに見えますね!

作業終了、完成です!ツヤツヤに仕上がりました。
作業終了、完成です!ツヤツヤに仕上がりました。

フレームを色々な角度から見ていただいても、ツヤツヤに仕上がっていることが見て取れますね!ハブのスポークが交差する部分なども手抜かりなくキレイに作業いたしました!

スプロケット裏面の取れなかった汚れもキレイに取れましたよ!

クランクやディレイラー、スプロケットも新品に近い輝きを取り戻すことができました!動作ももちろん快適に動くことを確認しております。

新しくしたペダル、ブレーキ、ブラウンサイドタイヤもカラーアクセントとなって、より一層引き締まった見た目になりました!

オーナー様へキレイにしてお渡しすることができました。ご依頼ありがとうございました!

今回はドマーネAL 3 Rimのオーバーホール作業をお届けしました!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

オーバーホールにご興味を持っていただいたお客様、詳細はコチラのリンクからどうぞ!

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オーバーホールはロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクといったスポーツバイクの車体を分解し、普段状態の確認を行えない内部まで洗浄、安全にお乗りいただける…

今までの作業はこちらからご覧いただけます!

テックブログ - 梶原自転車店

今回はMERIDA REACTO4000のオーバーホールを行いました!

愛車をキレイにするオーバーホール、受けてみませんか?ご依頼お待ちしております!

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