GIANT DEFY オーバーホール
今回はオーナー様が8年間大切にご愛用されている、GIANT DEFY オーバーホールの模様をまとめました!
長距離を乗られるお客様なので、バイク内部のベアリング類の状態やドライブトレイン周辺の摩耗が気になるポイントです。
オーバーホール作業に加えてアップグレードのご依頼も承りましたので、そちらもお届けいたします。
では早速、作業に移っていきましょう!!
オーナー様ご見学の元、分解作業
ご依頼の際に、オーナー様より分解時の作業を見学をしてみたいとご要望を頂戴いたしました。分解作業の様子をご覧いただき、愛車の状態がどうなっているのか、ご自身の目で確認していただきながら作業を進めました。
作業実施前の車体を撮影した1枚ですが、経過年数を考えるとコンディションはかなり良さそうですね。

パーツ位置記録
恒例の分解前に行う、パーツの位置記録写真。今回はケーブルの擦れで起こってしまうフレーム塗装へのダメージを軽減するフレームプロテクターがカラフルに装着されていました。各部でカラーと組み合わせが異なるので、コチラもしっかり写真を撮っておきます。
ボトルケージはダウンチューブ、シートチューブで異なるものが装着されていました。こちらも組み立て時に間違えないよう撮影。

スピードケーデンスセンサーがチェーンステーノンドライブ側(ギアが付いていない側)に装着されていました。大体の位置を記録し、組み立て時にサイクルコンピューターを使ってスピード、ケイデンスが表示されるよう調整します。

分解作業
チェーンはチェッカーで測ると0.5が入ってしまう状態。このオーナー様は宿泊込みの数日間ツーリングで数百キロを走破することもお話で伺っていたため、交換推奨と判断させていただき、ご了承を得てオーナー様の前で取り外し。
チェーンはそのまま取り外すと、反動で跳ねてフレームなどに強く当たってしまうことがあるので、チェーンフックで跳ねるのを防止しながら取り外しました。


ワイヤー交換も作業に含まれるため、バーテープを剥がしていきます。この時もマスキングテープで末端の位置を記録し、巻き直しの際に同じ位置まで巻き直します。
右の画像は剥がし終わった後ですが、バーテープ自体の劣化がさほどなかったため、接着テープがほとんど残らずキレイに剥がせました。もちろん、新しいバーテープを巻く際にはハンドルバーを脱脂してから行います。


こちらはブレーキを外した時の1枚で、ブレーキシューを見てみるとゴム自体が目視でわかるほど減っています。
画像はありませんが、加えてシューのホイールと接触する部分には沢山の小石や金属片が食い込んでいました。まだ使用はできるものの、劣化が見られるため早めに交換しておきたいご意向をお伝えくださり、交換となりました。

ブレーキなど、コンポーネント系のパーツを取り外したのでフォークを引き抜いてヘッドベアリングなどを確認していきます。
ベアリングが収まっているフレーム部分の上下共に、しっかりと汚れがついていますがクリーニングで直ぐに落ちそうなタイプで一安心。
肝心のベアリングはというと、かなりの汚れが蓄積している上に所々錆が見受けられます。外見の状態はあまりよくはなさそうですが、ベアリングで大事なのは回転性能が生きているかなので、クリーニング後に内部の状態を確認します。

外したフォークも確認してみると、金属のコラム部分にはベアリング側から移ったであろう錆や汚れがそれなりについていました。
こちらも見た目としては表面上のもので軽微、といった印象なのでクリーニングで錆がしっかり落ちてくれることを期待。

ワイヤー系も交換だったので、シフトワイヤーを外してアウターキャップを外してみると…金属部分が完全に錆びついていました。
交換前のお見積もり時にシフトチェンジを何度か行っていましたが、そこまで動作に悪影響はありませんでした。アウターワイヤーが破断することは滅多にありませんが、ツーリング中の峠で切れてしまったり、動作不良を起こして変速が使えなくなってしまう可能性を考えるとゾッとします。

番外編 ~アクシデント、クランクが抜けない!!~
分解中にアクシデントが起きました。クランクアーム取り外しのため、ボルトを緩めて引き抜こうとしたところ、左アームが全く抜けないのです。
恐らく、長期間の使用によってシャフトとアームが固着している可能性が…。


固着に有効な、和光ケミカルさんのラスペネを塗布し、浸透するまで少し待ちます。
その後左アームを引っ張ると、無事スポーンと抜けました!シャフト側を見ると、左アームの受けの部分に錆のようなものが見受けられます。
錆や腐食のせいで抜けなくなってしまうのは、クランクアームでよくある事例です。今回は軽度でしたので問題なく取り外しに成功しました!
特にシャフト側であらゆる手で抜けないほど重度ですと、クランクアームやボトムブラケットを破壊して外さなければならない場合もあり、同じパーツを調達するのにかなりの金額がかかります。
定期的なオーバーホールは、快適な動作以外にも高額修理を未然に防ぐ手段の一つになります。

洗浄
すべてのパーツを外し終えたので、ここからは洗浄に移っていきます!

バラバラにしたコンポーネント類はディグリーザーを使用して洗浄、蓄積している汚れをしっかりと落としていきます。
細かいところですがボルト類にも汚れは蓄積しやすく、プーリーやチェーンリングボルトはかなり油と汚れのコンビネーションで落ちにくくなっていることも。
こちらのオーナー様は定期的に車体の洗車を行っていただいており、洗浄前からキレイな状態でした。

ヘッド周りとフォークコラムもクリーニング。画像はクリーニング前とクリーニング後を交互にご覧いただけます。
ヘッドベアリングが収まる上下の部分も汚れは、問題なく落とすことができました。一番気になっていたフォークコラムの錆も、予想通り表面に浮いていた程度のもので、汚れと一緒にキレイさっぱりと落とすことができました!
パーツ類の洗浄が終わったら、フレームを洗浄していきます。フロントフォークを固定するタイプなので、適当なステムと一旦ヘッド周辺のパーツやフォークを取付し、スタンドへ固定して準備完了です!

キレイだと思っていたのですが、近づいてよく見てみると…うーむ。経過年数分の汚れによって艶ありの塗装がくすんでしまったり、擦れ傷などに汚れが入り込んでしまっていますね。
洗車でどこまで落ちるかはわかりませんが、まずは通常通り洗車してみてから決めていきましょう。
こちらが洗車後のAfterになりますが、洗車後の方が汚く見えてしまいますね…。
洗車前と同じ部位をなるべく同じ画角で撮影しています。汚れは取れたかもしれませんが想像以上にくすみが取れませんでした。

かなり頑固そうなので、別の手を使ってくすみを落としていこうと思います。
まずは車体に残っている水分を拭き上げとブロワーで飛ばし、水垢が残らないように注意しながら隙間まで水を飛ばしていきます。

くすみを落とすためには研磨が一番なので、塗装用コンパウンドと電動ポリッシャーを使用して磨き上げていきます。塗装へのダメージがないよう、こまめに状態を確認しながら研磨を行うのですが、どれくらいキレイになるかは作業をしてみなければわからない部分でもあります。
こちらのスライドショーはダウンチューブの研磨前と研磨後で、くすみで艶を失っている部分が多少なりとも輝きを取り戻しました!
小傷など消えないものもありますが、全て消す作業はとても時間がかかるのでオーバーホールの範囲ではここまでとなります。
最も磨きの効果が出てわかりやすかったのがシートチューブです。右が研磨後、左が研磨前となっており、両者の艶に大きな違いがあることがわかりますね!

それでもトップチューブバックやスピードケイデンスセンサーの装着に伴う擦れ跡や傷など、磨いても落としきれない部分もありました。

フレーム全体の研磨前と研磨後です。1枚目はくすみが目立っていますが、研磨後は全体的に艶を取り戻すことができました!
気になっていたヘッドベアリングでしたが、画像は劣化しやすい下側のもので、周辺に少し変色が見られるもののベアリングの回転は使用可能な状態でした。上側のベアリングはこちらよりもかなり状態がよく、一安心。
オーナー様のライドスタイルが一度の距離は長く、総走行距離が飛び抜けて多い訳ではないこと、定期的に車体を洗車してくださったこと、室内保管であることが功を奏した形です。
いつも通り、上下のベアリングへグリスをたっぷりと塗布していきます。
塗布後、フォークを挿入してヘッドパーツなどを取付、固定してパーツの組み戻しと組み立て調整作業に入っていきます。

組み立て、調整
フレームの洗浄とグリスアップが一通り終了したところで外していたパーツ類を全て取り付け、その後ワイヤーなどの消耗品を新しいものへ交換し、調整に入っていきます!
パーツの組み立て時に可動部への注油は済ませているので、あとはフレームへ組みつけを行うのみ。
まずはブレーキからいきます。新しいブレーキシューを仮止めし、外していた洗浄したケーブルアジャスターも取り付け。フレームへの固定も位置調整があるため、この時点では仮付にて行います。
お次はクランクアームの取り付け。ボルトも外して洗浄したものを戻して、各ボルトの指定されたトルク内でしっかりと固定していきます。
固定後、手で揺さぶるなどしてガタや固定が弱くないかもしっかりと確認していますよ!
同時ご依頼!ホイールアップグレード
インスタには先行で投稿しておりましたが、今回の作業と併せてホイールアップグレードのご相談も承っておりました。
長い距離を何日もかけて、峠越えもされるような乗り方になりますので、軽量さだけではなく長時間のライドでも脚へ優しいホイール…ということで、コチラのメーカーのホイールに決定!

答えはコチラ!!カンパニョーロのゾンダです!定番中の定番なアップグレードホイールですが、このグレード帯でロングライドに向いているホイールと言えば真っ先に出てくる名前でしょう!

箱から開けて傷などの検品をしておしまいではありません。
必要ないことが大半なのですが、振れ取り台にホイールをセットし縦と横の振れがないか、スポークテンションは適正か、センターは出ているか、ハブのガタはないか、といった性能に直結する部分をしっかりと確認していきます。
こちらの個体は何も問題がなかったため、10s用のスペーサーを挿入してスプロケットを取付、車体へ組みつけていきます。
装着後の全体像は、作業完了写真までお待ちくださいね!
ホイールを装着したら、お次はチェーンです。こちらも前回ブログと同様、4600のティアグラなので現行の新品チェーンで最もグレードの高いCN-6701を装着。
お次はアウターワイヤーを適切な長さへカットし、ブレーキワイヤーはグラインダーで切断面をキレイに整えることにより、動作の軽快さにもつながります。
インナーワイヤーはケーブルグリスを塗布することで、動作の軽快さを確保。地味ですが操作の軽さに直結する重要な工程です。
バーテープ巻きは下処理から入ります。ビニールテープを巻く前に、粘着力が落ちないように脱脂処理を施してから前面にビニールテープを巻きます。
今回はスパカズのスターフェード、ブラックにレッドのスパカズアイコンが入ったバーテープを選択。黒赤で統一感が出ますね。
スパカズのテープは巻くのが大変で、引っ張る力が足りないと直ぐにしわとなって緩んできてしまうことも。適度に引っ張りながらきちんと巻くことで、緩みの起きづらいバーテープが出来上がります。
バーエンドプラグは入庫時に装着されていたオイルスリックをそのまま使用。細かいところにもこだわりを感じますね!
最後にフレームへ艶出し、防汚のケミカルを塗布して出来上がり!
施工側が言うのもなんですが(笑)フレームがかなりキレイに仕上がったと思います!
アップグレードでお選びいただいたゾンダも黒ベースに白の縁取りロゴなので、ホワイトが入っているフレームカラーの雰囲気を壊すこともない、絶妙なマッチング。
最終的に光り輝くフレームとなって、オーナー様へお返しすることができました。
ゾンダの軽快で疲れにくい走りと、キレイにストレスのない動作でツーリングを思いっきり楽しんでくださいね!!
ご依頼ありがとうございました!
オーバーホールの詳細はコチラからどうぞ!
ご興味のある方は、見積もり無料ですので車体をお店にお持ち込みくださいね。
ご依頼お待ちしております!!


















































